それ、「首こり」が原因かも?
たかが首こり、されど首こり。なんだか首が重い、痛い……と感じること、ありませんか?
「肩こり」に対し、「首こり」はあまり聞きませんよね。しかし、首の凝りは長時間パソコンやスマホを使う現代人にとって、よくある症状なのです。さらに、放っておくと意外なところにまで影響を及ぼします。あの不調も「首こり」が原因かも?
そんな「首こり」の原因や、いますぐできる対処法について詳しく説明します。
日常生活でありがちな「首こり」の原因
「肩こり」はよく聞くものの、「首こり」はあまり聞きませんよね。しかし、首には体全体に行き渡る血管が通っており、その血流が悪くなると身体にさまざまな悪影響を及ぼすのです。しかも、現代的な生活には首こりを悪化させやすくなる原因がたくさん。まずは自分が当てはまるかチェックしてみましょう。複数当てはまったら要注意です。
・頭を支えることによる負荷
頭の重さは成人で平均で5kg。前に突き出た『スマホ首』では、その約3倍、首に負荷がかかるといわれています。
・同じ姿勢でのPC、スマホの使用
同じ姿勢で長時間いると血流が悪くなります。また、同じ画面を見続けることによる眼精疲労の蓄積で、さらに首がこりやすくなります。
・ストレスによる緊張
ストレスを身体や心に感じると、筋肉を緊張させる自律神経の働きが活発になり、首周辺の筋肉が緊張してしまいます。一時的なものであれば問題ありませんが、日々ストレスにさらされ筋肉に過剰な緊張状態が続くと、首の凝りが慢性化する恐れが高まります。
・寒さによる緊張、自律神経の乱れ
寒い場所や冷房の効いた部屋でずっと過ごしていると、肩周りに不自然な力が入り、筋肉が緊張します。さらに、寒さによる自律神経の乱れで筋肉の緊張が強まってしまいます。
・首に負担のかかりやすい枕を使用している
首が固定されやすい枕(例:寝返り対応のために両端が高くなりすぎている高反発ウレタン枕、ボリューミーで柔らかい低反発枕など)を使用していると、同じ箇所に負担がかかり、首こりの原因となります。もし寝返りがしづらいなら交換しましょう。
放っておくとどうなる?首こりが引き起こす意外な症状
以上の原因、当てはまっている方が多いのではないでしょうか。それでも「たかが首こり」と放置していると予想外なところにまで悪い影響を与えてしまいます。
*首の痛み *肩こり *頭痛 *頭重感 *手のしびれ *うつ
*吐き気 *胸やけ *多汗症 *慢性疲労 *ドライマウス など
さらに、頭の血流まで悪くなり、頭痛や抜け毛、白髪につながることも……。
首は体と脳の神経・血管を繋ぐ重要な器官なので、その部分に負担がかかると数多くの不調につながってしまいます。
首のこりを改善することで日頃感じている「体調不良」「疲れ」が取り除けることもあります。このあと紹介する予防法や対処法を試してみましょう!
首こりを予防するためには
・身体を動かして血行を良くする
デスクワークの人は血行が滞りがちです。厚生労働省の「新VDT作業ガイドライン」によると”連続作業時間は1時間以内で10~15分の休憩をはさみ、連続作業中は1、2回の小休止をとるほか、作業中の体操やストレッチすること”が推奨されています。
とはいえ、忙しくて休憩をとることが難しい場合もありますよね。その場合は、
・1時間に1回両手を首の後ろにあてて、そのままゆっくりと手に首を預けるように倒して5秒キープ。そして、ゆっくりもとに戻す。あわせて、目を閉じて休ませる。
この動きをすることで血行の改善、さらに脳の負担軽減・ドライアイ対策にもなります。ぜひ試してください。
・首や肩を冷やさない
暑くなる季節はとくに、薄着で寝ていたり、エアコンの効いた室内にいることで、首と肩が冷えやすくなります。
さらに、就寝時にはたとえ暑かったとしても体温が1.5℃も下がります。パジャマ、もしくはTシャツを着て眠るようにしましょう。タオルを首に巻くことも有効です。
勤務先のエアコンで冷える場合は、肩に1枚羽織るようにしましょう。
・姿勢に注意
猫背の人は、骨盤が軽く後傾し、前にでています。骨盤は軽く前傾にすることを意識しましょう。
また、背もたれがある椅子に深く座ることで上体が支えられてさらに楽になります。
さらに注意したいのがスマホを使用する際。スマホをなるべく目と同じ高さにします。両手持ちの場合は脇を締めて両ひじを寄せ、これを支えにしましょう。片手持ちの場合は、スマホを持つ側の腕に反対の手をはさんで支えましょう。
・効果的な入浴で血行を良くする
副交感神経を優位にするためには、睡眠の2時間前、38~40℃のぬるめのお湯に、ジワーっと汗が出る20分間ほど浸かることがベスト。入浴後はすぐに髪を乾かしましょう。このとき、ドライヤーで首の後ろに温かい風を当てることも効果があります。
・寝返りをうつ、寝る体勢をかえる
長時間同じ姿勢で寝ることで、首への負担が一点に集中してしまいます。寝返りづらい場合は枕を変えてみましょう。また、横寝・バンザイ寝は姿勢が固定されやすいため注意です。
すぐにできる!首こりの対処法
鎖骨下のくぼみの辺りを優しくゆっくりと5秒くらいかけて押し、ゆっくり離すことで筋肉の緊張を和らげることができます。
・温湿布や蒸しタオルで首を温める
首をダイレクトに温めることで筋肉をほぐし血流を促すことができます。温湿布、もしくは蒸しタオルを利用しましょう。
※ただし寝違えたときは、炎症を抑える冷湿布を使用しましょう。
蒸しタオルの場合は水で濡らしたタオルをしっかり絞り、500~600Wで約1分加熱したら、広げて程よい温度にし、ビニール袋に入れて使用しましょう。首根元から鎖骨、肩全体を覆うようにあてるとじんわりと緊張が和らぎます。
・首のエクササイズ
●肩甲骨を動かす体操
……胸を張り、腕を後ろで組むことで、肩周りの血流が良くなります。
●首を曲げるストレッチ
……ゆっくりしたスピードで、筋肉の張りや動きを感じながら少しずつやわらげていきましょう。
・病院での診察
首が凝るだけでなく、肩の関節に痛みを感じたり、腕にしびれを感じるようであれば、整形外科を受診することをおすすめします。
受診することで自分の症状がどのようになっているかを見ることができれば、心理的なストレスの軽減にもつながります。
たかが首こり……と思ってしまいがちですが、実は日々の不調と深い関連があり、身体の色々な部分に影響を及ぼします。
日常生活で少し意識するだけで不調が改善されるので、紹介したストレッチなどをぜひお試しくださいね。
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